ネットショップを開業する際に、楽天とヤフーを比較したいという人も多いのではないでしょうか。
開店する時にかかる費用はいくらなの?ネットショップって簡単に作れるの?どっちのほうが売上が出やすい?など、様々な疑問にお答えします。
利用料金について
まずは気になる利用料金ですが、楽天市場・Yahoo!ショッピングそれぞれにかかる、主な費用を以下の表にまとめました。
楽天市場 | Yahoo!ショッピング | |
---|---|---|
初期費用 | 60000円 | 無料 |
月額 | ■ライトプラン39800円 (3ヶ月分一括払) ■がんばれ!プラン19500円 (年間一括払) ■スタンダードプラン50000円 (6ヶ月ごと2回払) ■メガショッププラン100000円 (6ヶ月ごと2回払) |
無料 |
システム使用料/ 売上手数料 |
■ライトプラン3.5~5.5% ■がんばれ!プラン3.5~7.0% ■スタンダードプラン2.0~4.5% ■メガショッププラン2.0~4.5% |
無料 (ポイント、キャンペーン等の 原資負担2.5%~) |
アフィリエイト手数料 | 2.6%~ | ■アフィリエイトパートナー報酬 (1%~) ■アフィリエイト手数料 (30%) |
カード決済手数料 | 月間決済高の2.5%~3.5% | クレジットカード決済3.24% (その他決済、個別手数料あり) |
最低契約期間 | 3ヶ月(ライトプラン) | ー |
登録可能商品点数 | ■ライトプラン5000商品 ■がんばれ!プラン5000商品 ■スタンダードプラン20000商品 ■メガショッププラン無制限 |
無制限 |
電話サポート | ○ | ○ |
サービス元 | 楽天市場の詳細はこちら | Yahoo!ショッピングの詳細はこちら |
上記の内容を見ると、初期費用や月額がかからないYahoo!ショッピングのほうが断然コストはかかりません。
しかし、安いからといって始めても売上を出せなければ意味がありません。
以降で、このあたりの解説も含めお話していきます。
どれくらいの人が利用してる?
楽天市場、Yahoo!ショッピングともに、どれくらいの利用者(閲覧のみのユーザー含む)がいると思いますか?
ニールセンデジタルの国内におけるECサイトの利用実態調査によると、2018年6月では「楽天市場は約4000万人」「Yahoo!ショッピングは約2600万人」という数字が出ています。
Yahoo!ショッピングに比べて、楽天市場は約1.5倍の利用者数がいることがわかります。
ちなみに、Yahoo!オークションと楽天フリマアプリのラクマ(旧フリル)では、Yahoo!オークションの利用数のほうが多いですね。
出店数(店舗数)はどれくらい?
ここでいう出店数とは、楽天市場やYahoo!ショッピングにどれくらいのお店が存在するかを指しています。
まず、2019年11月7日時点の楽天市場の出店状況は「48,949店舗」です。
次に、Yahoo!ショッピングですが、2017年12月末時点で65万店です。
(出典:https://netshop.impress.co.jp/node/5208)
圧倒的に、Yahoo!ショッピングのほうが店舗数が多いですね。
やはり一番の理由は、初期費用や月額費用が無料なため、ネットショップ開店をする上でリスクが低く始めやすいといえます。
どんなショップが出店してる?
店舗数がある程度把握できたところで、実際にどんなお店が出店しているのでしょう。
楽天市場、Yahoo!ショッピングは、モール型といわれるネットショップ開店サービスです。
その中の一角を借りてお店を開店(出店)する形になります。
ネットショップ・モール型と自社ECを把握してベストなお店作りをしよう
巨大なモールのため、有名どころの企業やお店はどちらのサービスにも出店している形が多いです。
例えば、以下のようなお店があります。
■有名なお店一例
- コジマ電気
- ABCマート
- LeTAO
- 銀座千疋屋
- アンファー
- 洋服の青山
Yahoo!ショッピングの場合、上位の優良店や一定の年商規模の大企業は、paypayモールに出店しているケースもあるようです。
個人で出店しているお店について
楽天市場に比べて、Yahoo!ショッピングのほうが個人で出店している方が多くみられます。
例えば、お花を店やファッション系の店、美容系の店、雑貨の店、ジャンルは様々です。
ショップデザイン・簡単に作れるの?
続いてネットショップのデザインについてです。
普段、楽天市場やYahoo!ショッピングなどの有名なショッピングモールで買い物をしている人も多いかと思いますが、キレイで見やすいお店が増えてきましたね。
例えば、上記のようなお店のデザインを作る場合、WEB制作の知識が必須なため、初心者では難しいのが現状です。
ですが、楽天、Yahoo!ともに初心者でも作れるツールやマニュアル等が用意されているので、最低限のショップデザインは作ることができます。
本格的なショップデザインでお店を運営したい場合は、ネットショップ制作会社などのプロにお願いすることがベターといえます。
その場合、どんなデザインや作りにしたいかにもよりますが、約数十万円~数百万円の制作費用がかかることも少なくありませんので、覚えておきましょう。
楽天GOLDとトリプルについて
楽天ショップやYahoo!ショップのデザインを、より作り込む場合は、基本的に楽天ではGOLD、Yahoo!ではトリプルという機能を使います。
通常、FTPソフト等を使用し機能を活用する流れになりますが、Yahoo!の場合は仕様の変更を伴い管理画面からでも使えるようになりました。
FTPソフトを使わない点では、Yahoo!のほうが楽で便利ですね。
(楽天も今後の仕様変更でどうなるかはわかりません)
トリプルって何?ヤフーショップを作る上で押さえておきたい制作方法
楽天GOLDについては、以下ページ内でも触れているので、ご参考にしてください。
管理画面の使いやすさ
楽天ショップ、Yahoo!ショップともに、ネットショップを作成・運用する上で欠かせないのがシステムです。
そのシステムを使う際には、管理画面にログインし進めていくわけですが、両者ともに良し悪しがあると感じています。
全体を通してみると、おそらく現状では楽天市場のシステムやマニュアル等のほうが使いやすいという印象があります。
マニュアル面でいうとYahoo!ショッピングは少々わかりづらい部分もあるため、今後の改善に期待したいところです。
売上が出やすいのは楽天、Yahoo!どっち?
ここまで楽天市場とYahoo!ショッピングの違いを色々な角度からご紹介しました。
では、実際に売上が出やすいのはどちらのサービスになるでしょう。
以下は、2018年の楽天市場とYahoo!ショッピングに対する「インターネット通販流通額シェア」です。
楽天市場が26.8%に対し、Yahoo!ショッピングは7.9%と約3.4倍の開きがあります。
なぜこれほど差が出ているのかというと、理由のひとつとして「集客力」です。
上図のように、楽天市場のPV(ページビュー数)は、約7倍となります。
集客力は、出店している店舗さんの売上に大きく影響してきます。
また、これまでお話した通り楽天市場とYahoo!ショッピングの出店数(店舗数)は以下の通りとなっています。
■それぞれの店舗数
- 楽天市場:48,949店(2019年11月7日時点)
- Yahoo!ショッピング:65万店(2017年12月末時点)
Yahoo!ショッピングに関しては、現状さらに店舗数があると予想されます。
出店数(店舗数)が多いということは、それだけ競合店がいるということに繋がります。
楽天市場と違い、Yahoo!ショッピングは初期費用や月額がかからない分、「とりあえず出店してみよう」という人達が比較的多いため、店舗数も膨大になり、売れないとわかったらそのままお店を放置、あるいは閉店してしまう店長さんも少なくありません。
これらのことからわかるように、Yahoo!ショッピングに比べて、楽天市場のほうが出店数も少ない上に集客力もあるため売上が出やすい傾向あります。
モール型の今後について
楽天市場やYahoo!ショッピングは、モール型のネットショップです。
モール型の一番の特徴は、初めから集客が見込めること、またモール自体が様々な企画の特集ページを組み、そこにお客さんを誘導するなどし購入までの流れを作ってくれるところにもあります。
ですが、モール型はルールなども厳しい面があり、自由度が低いことから、最近では低価格で個人でも人気の「カラーミーショップ」などで自社ECサイトを開店する人も増えてきています。
自社で独自ネットショップを運営する場合、独自ドメインが使えたり、色々なサービスと連携するなどモール型とは違う利点(特徴)があります。
しかし、開店当初は集客面で弱いため、広告費をかけたりSNSやメディアサイトなどを活用するコストや手間はかかってきます。
ネットショップを始める前から、ブログやメディア、SNS等で集客できている場合やブランディングできている場合等は、「カラーミーショップ」などの開業サービスを使用するのもありかもしれませんね。
いずれにせよ、今後はモール型に依存せず自社でもECサイトを運営したほうが売りやすい時代になると思います。
まとめ
楽天市場とYahoo!ショッピングの比較を交えた上で、売上が出やすいサービスはどちらかというお話をさせて頂きました。
比較した場合、楽天市場に軍配が上がりましたが、Yahoo!ショッピングが全く売れないということではありません。
ただ現状では、売上を意識してすぐに結果を求めたいのであれば、楽天市場でお店を構えたほうが成功する確率が高いと思われます。